UnicompとASUS IoTが高速コンピューティング、大規模画像処理、高性能X線検査システムを構築

X線検査は、多くの産業で広く採用されている工業用X線撮影法です。特に製造工程で使われ、品質管理や精密検査のほか、製造過程で得られたデータを利用した科学研究にも活用されます。最新の優れたX線検査では、自動化、高速コンピューティング、光学、画像認識・処理が統合されています。ただし、この統合は容易ではありません。

3DインラインX線自動検査システムの1つであるLX9200は、深センの Unicomp Technologyが製造しています。この分野をリードするソリューションプロバイダである同社は、特に多方向・多角度の製品検査を行う際に、システム能力を最大限に引き出すことを目指しています。この目標を達成するため、Unicompは高性能の画像処理コアコンピュータを必要としていました。Unicomは、ハイエンド産業用組込みコンピュータのトップメーカーであるASUS IoTとのパートナーシップにより、顧客の多様な高精度検査ニーズに対応することができました。

 

活用事例

2009年に設立されたUnicompは、研究開発力の強化に積極的に取り組み、重要なコンポーネントの生産力を向上させてきました。世界有数のX線精密検査装置メーカーとなったUnicompは、LX9200をさらに最新世代へとアップグレードさせ、半導体、電子機器、自動車、新エネルギー、科学研究など、さまざまな製造業で世界をリードする顧客に最も革新的なソリューションを提供しています。

 

課題：X線検査システムにおける高速AIコンピューティングと画像処理の複雑性の克服

高速画像処理の急速な発展により、X線検査技術は画質、速度、検査量の面で大きく向上しました。Unicompもまた、AIと機械学習を大規模精密検査製品に組込むことに成功しました。

Unicompの設計チームは、AIの活用により、24時間365日稼働する無人工場への導入機会が大幅に増えると考えています。これに伴い、複雑な製造工程が完全に自動化されることで、関連する品質管理や精密検査の自動化も必然的に進むとみられています。その結果、大規模な検査やフルタイムの自動検査に対する需要は間違いなく増加するでしょう。

 

ソリューション：ASUS IoT EBS-4U700産業用ソリューションで高精度を実現

その目標を達成するため、Unicompの研究開発チームは最新の産業用制御ユニットを調査した結果、最終的にインテル^® 第13/第12世代を搭載して設計されたASUS IoT EBS-4U700 AIoT産業用ソリューションにたどり着きました。このソリューションは、インテル^® Core™ i9/i7プロセッサDDR5 RAM、複数のディスプレイ出力、産業用アプリケーション向けの従来オプション、COMポート、3つのインテルLANポートを搭載しています。すべての主要なシステム要素にインテル^®　プロセッサ搭載し、産業用IoT（IIoT）に最適化された電力効率の高いパフォーマンスとインテリジェンスを提供します。ASUS IoTとインテルは共に拡張性のあるソリューションを提供しており、それはUnicompに確かなビジネス成果をもたらすと同時に、将来のスマートファクトリー向けのエンドツーエンドの基礎を築いています。

ASUS IoTは、Unicompの研究開発チームと同様に、膨大なデータ処理能力（大規模な画像処理など）を備えた産業グレードの高性能コンピュータが、多くの産業用アプリケーションで必要とされていると考えています。ただし、必要とされるのは、従来よりもコンパクトで、より高い性能と信頼性を有する製品です。そのようなニーズに応える製品の1つがASUS IoT EBS-4U700であり、顧客の迅速な市場投入の要求と生産の柔軟性を満たすASUS IoT オーダーメイドサービス（CToS）が貢献しています。

従来の産業用制御製品とは異なり、EBS-4U700は高出力電源で動作するように設計されていますが、それでいてコンパクトで耐久性のある機械設計に収まっています。設計者は、より高出力な電源供給に対応する共通冗長電源（CSPR）規格を適用しており、それによってLX9200は必要な高速かつ大規模なデータ処理タスクを確実に実行できます。ASUS IoTはまた、EBS-4U700に豊富なSSD拡張スロットを搭載し、高速・大容量データ処理に対応するとともに、I/O拡張性を最大限に高めました。

 

過剰な熱に対応

過剰な熱が発生する問題に対処するため、ASUS IoTとUnicompのチームは共同でEBS-4U700内部についてさまざまな熱分析テストを実施し、結果に基づき、熱の流れの方向を変えることで放熱を最適化しました。ASUS IoTチームはまた、EBS-4U700のフロントパネル内部に防塵設計を施すと共に、冷却ファンモジュールを追加し、システム全体でクリーンな吸気フローを実現しました。エアフローを規定することによってGPU、CPU、SSDから過剰な熱が取り除かれるため、EBS-4U700はより高い温度下での動作が可能になりました。さらに、ASUS IoT SuiteソフトウェアによってEBS-4U700は毎分回転数（RPM）を設定することができ、さまざまな使用シナリオに合わせてCPUとケースのファン回転速度を変えることができます。

成果：EBS-4U700 － 強化されたパフォーマンスと最適な放熱性

ASUS IoT EBS-4U700が有する高いパフォーマンスと最適化された放熱性により、UnicompはLX9200をパワフルな高性能X線インライン自動検査システムへとアップグレードすることができました。機械設計の追加変更を一切することなく、デュアルGPUがLX9200に搭載され、長時間、大量、高精度検査の運用が可能になりました。Unicompの顧客は、LX9200を使用することで、より高速かつ高精度で高品質の検査を実施することができます。