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ASUS IoTと日立エナジー、無線通信ルーター 「TRO610」でエネルギー業界を変革

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お客様

日立エナジー は、より柔軟で持続可能かつ信頼性の高い電力システムの開発競争で世界最前線を走っています。スイスに本社を置き、世界90カ国に40,000人以上の従業員を擁し、売上高は約100億ドルに上ります。高圧開閉装置や電力品質システム、変電所やグリッドエッジソリューション など、公益事業、産業、インフラストラクチャ分野の幅広い顧客にサービスを提供しています。日立は、お客様やパートナーとともに、配電網のデジタル変革を可能にする技術開発を支援し、カーボンニュートラルな未来に向けたエネルギー転換を加速しています。

課題

世界的な電力網の整備とアップグレードにより、IoT対応のスマートアセットが現場で数多く導入され、送電網 の安定性の向上、新しい顧客サービス開始のサポート、総所有コストの削減を実現しました。センサーやスマートメーターなどのインテリジェントデバイスは、中央制御センターに送信する必要がある貴重なデータを収集することができます。しかし、これらの電力網は広範囲に及ぶため、デバイスの多くが必ずしも有線通信インフラには接続されていない広大な地理的範囲に配置されています。解決するには、エッジのルーターを経由し、無線通信ネットワークを介してリアルタイムでデータを送信することが必要です。

日立エナジーは、送電網の近代化を実現するためには、高度にセキュアな常時接続が必要であることを認識していました。この要件は、最先端のサイバーセキュリティと通信を備え、過酷な環境の現場でも機能する無線通信ルーターの構想へと進展しました。課題は、高可用性、高信頼性、高スループットのデバイスを堅牢でコンパクトなフォームファクタで設計・構築し、現場のアセットとアプリケーションの可視性を高めることでした。

日立エナジーのワイヤレスセールスグローバルヘッドであるマイケル・デュレイニー 氏(Michael Dulaney)は、次のように述べています。「ブロードバンドメッシュと無線通信機能を備えた大型ルーターをすでに発売していましたが、グリッド プロバイダがより多くのアセットを現場に配備するにつれ、接続性と通信を促進するために、特定の価格帯でより小型の無線通信専用デバイスが必要であることが明らかになりました。極端な温度・湿度の変化に耐える堅牢性と、さまざまな場所に設置できるコンパクトさが必要でした。」

通常、日立エナジーは製品を設計した後は、OEM(相手先ブランド製造会社) に委託しています。しかし、このケースでは、最初の仕様を受け、拡張可能な生産に至るまで完全な製品開発サービスを提供できるオリジナル設計メーカーと、より深い関係を追求したいと考えました。デュレイニー氏は、次のように述べています。「私たちは、ODMパートナーにできるだけ自由を与え、社内のスケールメリットを活用できるようにしたかったのです。ASUS IoTと対話を始めたところ、当社の技術的な要件と価格帯を理解しており、最適なパートナーであることが明らかになりました。」

ソリューション

日立エナジーはASUS IoTと初期仕様から提携し、産業用IoTアプリケーションをサポートする次世代通信ゲートウェイであるTRO610無線通信ルーターを開発しました。プロジェクト開始当初から、両社の技術チームが緊密に連携して設計を進めました。

ASUS IoTのプロダクトマネージャーであるパトリック・チウ 氏(Patrick Chiu)は、次のように述べています。「私たちは毎週、双方のエンジニアが集まり、どのような製品にするかを話し合い、開発段階を発展させるための打ち合わせを行いました。設定された各マイルストーンを達成するにつれ、リソースの割り当てを大幅に変更してきました。プロダクトマネージャーだけでなく、電気、機械、電力、ソフトウェア、テスト、技能のエンジニアなど、一度に最大30人がレビューコールに参加していました。すべての要件を把握することが、まさにチームの目指すところでした。」

この協力的な取り組みによって、TRO610は完成に至りました。ASUS IoTはすべての仕様を満たし、適切な価格帯で提供することで、顧客の期待に応えることができました。製品化されたTRO610は、エッジコンピューティング機能と最先端のサイバーセキュリティをコンパクトで堅牢なフォームファクタで提供します。このデバイスは、Bluetooth接続オプション、業界標準への準拠、無線通信の常時接続を提供し、公益事業、石油化学、製造環境でのエンドユース(最終用途) に理想的です。

TRO610は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP*2)仕様に準拠しており、市民ブロードバンド無線サービス(Citizens Broadband Radio Service) 、Anterix™、410Mz、450MHzなど複数の周波数帯で、公共および民間の3Gおよび4Gセルラーネットワーク の両方に対応しています。このデバイスは、国際標準規格IEEE 1613およびIEC 61850認証 を取得しており、特に配電ネットワークに適しています。さらに、TRO610日立エナジーの統合ネットワーク管理・監視システム Suprosで管理することができます。Suprosは、無線機器や遠隔端末装置 をロータッチで導入できるため、インストールが簡素化され、無線によるファームウェアアップデート にも対応しています。

成功事例

日立エナジーTRO610を発売し、ルーターは台湾のASUS IoTの生産工場で大量生産されています。将来的な需要の増加を見込んだ拡張性も備えています。

これまでのところ、TRO610は市場で非常に高い評価を得ており、5G接続の追加の可能性を含めて、製品を進化させる計画もあります。そうした開発には、新しいチップセットとモジュールが必要であり、それを実現する最善の方法についての議論を行なっています。日立は、このような将来を見据えた話し合いは、両社の間に築かれた高い信頼関係を物語っていると述べています。

日立エナジーはまた、ASUS IoTのオリジナル設計メーカーとしての能力を他のシステムや技術にも活用することを検討しており、自動車や鉱業などさまざまな業種向けのルーターが対象になる可能性があります。いずれのケースでも、ASUS IoTは新製品を実現するための設計、開発、製造スキルを有していると見られています。

日立エナジーのマイケル・デュレイニー氏は、このプロジェクトは大成功だったと振り返り、以下のように述べています。「終始、ASUS IoTは私たちに可視性と透明性を提供してくれました。プロジェクトチームは、私たちが必要とするものについて憶測で決めつけることは一度もありませんでした。ASUS IoTのエンジニアは、納品物について常に情報を提供してくれましたし、常に素晴らしい対話ができました。彼らは私たちのあらゆるニーズに驚くほど迅速に対応してくれました。」

ASUS IoTのパトリック・チウ氏は、日立エナジーとのパートナーシップは非常にやりがいのある経験だったとして以下のように述べています。「この製品の発売で日立エナジーをサポートできたことをうれしく思っており、将来の協力についても楽しみにしています。」

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