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パートナーシップの力 - ASUS IoTとSkidataがブラジルのビジネスパークの入退場と駐車場の管理を変革

A male is driving an electric vehicle through a digital entrance gate at smart outdoor parking lot with car and parking information shown on gate signage board

画像ソース: Skidata

  • 10,000人以上の来訪者に迅速でタッチレスの入場を提供
  • 4,500台以上の駐車場管理を向上
  • ビジネスパーク管理のセキュリティ、拡張性、データインサイトを提供

「私たちは、ASUS AIoT Partner Alliance プログラムに参加し、ASUS IoTの専門知識を活用する機会を得たことをうれしく思っています。100カ国で8,500台以上の駐車場管理を扱ってきた経験を活かして、このプロジェクトに価値をもたらします。私たちは、革新的な入退場と駐車場の管理システムを共創することができます。」
トーマス・ピューリンガー 氏(Thomas Pühringer)、Skidataシニアディレクター.

職場やスポーツ、レジャーイベントに車や人がどのようにアクセスするか。その方法によって利用者の体験は大きく変わります。長い間、セキュリティと収容管理の面から手続きに時間がかかり、不満がたまるのが普通でした。入退場時には手作業で証明書を確認してきたため、ピーク時には長い行列ができたものです。しかし、今では、デジタル化されたプラットフォームと人工知能(AI)を搭載したスマートモビリティと来訪者管理ソリューションによって、来訪者のエンドツーエンドの旅を大幅に向上することができます。

ブラジルのペリーニビジネスパークの事例

ブラジル(南米)のペリーニビジネスパークは、280万平方メートルを超える面積を有し、世界14カ国から250社を超える企業の拠点となっています。平均して、1万人以上がこのパークに集まり、その半数は車で訪れます。現在、車で来場する際はセキュリティゲートの前で停車する決まりになっています。まず、運転手が身分証明書を提示し、パークスタッフが本人確認を行い、車のナンバープレート、車種、色を記録します。その後、来訪者にタグが渡され、ゲートが開くというプロセスです。この間、1台あたり60秒から90秒の時間がかかるのが現状です。ピーク時には、この作業で入場ゲートの停滞をもたらすこともあり、来訪者だけでなく多忙な警備スタッフにも不満がたまる要因になっています。パーク管理者には、入場体験について多くの不満が寄せられました。そのため、安全性を損なうことなく入場プロセスを迅速化させることが急務になっていました。

こうした状況でのセキュリティは入退場の確認で管理されますが、来場する車のすべての搭乗者の情報を把握しながらプロセスの有効性を高めることは、運用上の課題となっていました。

そのため、この複合施設では、よりスマートな駐車場管理を導入し、駐車のしやすさと個々の駐車場内の駐車スペースの利用率を向上させることに、関心が寄せられていました。

パートナーシップを通じた個別サポートと技術的専門知識

ペリーニビジネスパークのニーズに対応するソリューションを見つけ出すために、世界有数の組込みソリューションプロバイダであるASUS IoTと、車と人のためのアクセスソリューションで世界トップクラスのプロバイダであるSkidataの戦略的提携が実現しました。Skidataは、アムステルダム・スキポール空港やロンドン・ヒースロー空港などの国際空港を含め、世界中で駐車場管理設備を提供しています。このパートナーシップは、共同創造、共同開発、共同獲得というアプローチに基づいており、両組織はそれぞれの中核となる専門知識を最大限に活用することができます。

ASUS IoTとSkidataが共同開発したスマート入退場・駐車場管理ソリューションは、以下のことを可能にします:

  • 車両ナンバープレート認識による15秒以内の高速アクセス
  • 1日4,500台以上の駐車場管理を改善し、稼働率を向上
  • ビジネスパーク管理のための重要な統計に基づくインサイト
  • リアルタイムの駐車状況検知などの拡張可能なソリューション
  • 1日を通して10,000人以上の来訪者の体験を向上

ASUS IoTがプロジェクトの指揮を執り、高度なハードウェア設計とソフトウェア開発能力、完全なIoT製品ポートフォリオとAIソリューション、長期的な稼働に耐えるIPCグレードのプラットフォームを提供しました。一方、Skidataは、セキュアで柔軟かつ高速なアクセスソリューションに関する卓越した知識を持っていました。ASUS IoTとSkidataは、プロジェクトの構想、初期設計から展開、試運転、将来的な拡張性まで、エンドツーエンドのソリューションを提供します。

革新的な入退場管理・駐車場管理システムの開発

ASUS IoTとSkidataは、エンジニアリングチーム間の緊密な連携により、ペリーニビジネスパークの来訪者向けに、デジタル技術をベースとした革新的な入退場管理・駐車場管理システムを開発しました。これは、セキュリティを維持しながら入退場プロセスを迅速化し、パーク管理者に貴重なデータを提供し、将来のサービス向上に利用できるシステムです。このソリューションは、完全にタッチレスな入場体験を提供します。事前にウェブサイトから車と搭乗者の入場登録を行います。入場時には、ナンバープレート認識技術により滞りなく自動的に手続きが処理され、迅速にゲートを通過することができます。インタラクティブでダイナミックな駐車場管理サイネージに誘導され、それぞれの駐車場所へ簡単にたどり着くことができます。

コラボレーションモデルでASUS IoTは、Tinkerシステム、マザーボード、エッジコンピュータ、ナンバープレート認識ツールキットで構成されるハードウェアとAIを開発しました。具体的には、まずTinker Edge Rです。小型でパワフルなシングルボードコンピュータで、エッジデバイスに究極のパフォーマンスを提供します。内蔵のRockchip NPU AIアクセラレータにより、最大負荷時の消費電力はわずか1.5ワットで、1秒で最大3テラオペレーションが可能です。Rockchip NPUはニューラルネットワーク・アーキテクチャに最適化されているため、Tinker Edge Rは機械学習モデルの複数のフレームワークに対応することができます。Tinker Edge Rは、デスクトップグレードのx86 CPUと比較して高いパフォーマンスと低い電力消費を実現し、さまざまなシーンで使用できます。ASUS IoTのALPR Edge AI Dev Kitは、包括的な自動ナンバープレート認識ソリューションです。ALPRソリューションはTinker Edge Rを搭載しており、最大99%の精度で高い干渉性能を発揮し、既存のビジョンベースのインフラストラクチャと簡単に統合することができます。

Skidataは、デジタルサイネージ、現場での支払い、チケット運用、ゲートを担当しました。両パートナーは、すべてのシステムとテクノロジーがシームレスに機能するよう、製品のバンドルと統合を管理しました。

トーマス・ピューリンガー氏は、次のように述べています。「素晴らしいプロジェクトでした。ASUS IoTは、強力なハードウェアとAIのノウハウを提供してくれただけでなく、必要とする経験を持つ必要な人材を集めるという優れたパートナーシップネットワークも取り入れてくれました。このユニークなアプローチのおかげで、私たちは得意とすることに集中することができました。プロジェクトでの協力は非常にスムーズで、これまでのところ素晴らしいプロセスでした。」

ビジネスプロセスの進化と新しいプロジェクトの到来

ブラジルのペリーニビジネスパークのプロジェクトは現在、稼働に向けて動き出しており、稼働後はパークへの入退場と駐車のしやすさが目を見張るほど改善されるでしょう。さらに、拡張可能な駐車場ソリューションとして、リアルタイムの駐車状況検知、アラート、モバイル決済、モバイル認証、道案内などの開発が可能で、パーク内の全体的なオペレーションをさらに充実させ、将来のオペレーションに備えて貴重なデータをパーク管理者に提供します。トーマス・ピューリンガー氏は、「このソリューションは、プロジェクト開始時にパーク管理者が指摘した入退場に関するペインポイントを完璧に克服しています。そして、このシステムは完全に拡張可能であり、次のステップに向けて多くの可能性を秘めています」と述べています。

ASUS IoTとSkidataは、今後もCo-Winning戦略の恩恵を受け、相互に補完的なスキルと技術で協力し、スポーツ会場やスキーリゾートなどで車だけではなく人の入退場管理をも変革させるでしょう。例えば、Skidataのシステムは、ピーク時には1時間当たり70,000枚以上のスキーチケットを販売しており、年間で世界中のスキーリゾートの80%が同社のシステムを導入しています。同社のソリューションは、ミュンヘンのアリアンツ・アレーナやリスボンのエスタディオ・ダ・ルスなど、200以上のスタジアムで使用されています。ASUS IoTとSkidataは、これらのプロセスを改良し、向上させるための素晴らしい展望を描いており、AIを活用した最先端のデジタルプラットフォームを展開していきます。

欧州・中東・アフリカ(EMEA)担当ビジネス開発・パートナーシップディレクターであるシルビア・クオ(Silvia Kuo)氏は、次のように述べています。「このプロジェクトはパートナーシップの力を示すものであり、私たちは大きな可能性を共に模索しています。顔認識やナンバープレート認識といった新しいテクノロジーによって、これらのシームレスなアクセス体験を生み出すには、高度なコンピュータデバイスとAIアルゴリズムが必要です。それゆえに、私たちはSkidataと共に今後も協力していくことを楽しみにしています。」

A female is standing at outdoor charging station and holding charging device to power up electric vehicle

Image Source: Skidata

SKIDATAについて
SKIDATAは、入退場ソリューションとその管理分野における国際的リーダーです。空港、ショッピングモール、都市、オフィスビル、ホテル、病院、大学、スキーリゾート、スタジアム、遊園地を経営する世界中の大手企業や運営会社にとって、人と車の安全を守り、未来志向で信頼性の高い入退場ソリューションは不可欠です。SKIDATAは、最初の相談から完全なサービスに至るまで、信頼の置けるパートナーです。SKIDATAは、直感的で使いやすく、エンドユーザーに安全なソリューションを提供することに大きな意義を置いています。SKIDATAソリューションの統合されたコンセプトは、顧客のパフォーマンスを最適化し、利益を最大化することをお手伝いします。SKIDATAグループ(www.skidata.com)は、デジタルコンテンツセキュリティ、公共アクセス、サイバーセキュリティ、IoTを網羅するデジタルビジネスイネーブルメントテクノロジーの世界的リーダーであるKudelskiグループ(SIX: KUD.S)に属しています。

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