スマートパーキングの変革を加速するASUS IoT Tinker Board S
IoT接続に対応したコンパクトな設計で、システムへの導入や展開が容易
データの安全性を確保し、リアルタイム管理を可能にするクラウドベースのAIoTソリューションを実現
信頼性の高い安定した運用を実現
活用事例
Silicon Bridg は、半導体とクラウド技術を革新するテクノロジー企業です。創業者の数十年に及ぶ技術者としての経験をもとに、2015年に設立されました。同社は、モノのインターネット(IoT)、クラウド、ビッグデータ、人工知能、半導体設計など、第4次産業革命(インダストリー4.0)の中核となる分野を組み合わせたシステムやプラットフォームを開発・提供しています。
Silicon Bridgeは、自社の次世代型駐車制御システム向けに低消費電力かつ高性能なソリューションを求めていました。そこで、ASUS IoTと卓越したシングルボードコンピュータ(SBC)「Tinker Board S」に注目しました。
課題
膨大で管理しにくい従来のシステム
都市部では、駐車場を管理する必要性が広く認識されています。この問題は今に始まったことではなく、従来のシステムも有効です。しかし、従来のシステムは、入出庫管理のために係員を配置したり、徒歩で巡回して支払いの確認や取締りを行うなど、多大な人的資源や人材の投入を必要とする労働集約型のシステムです。
そのため、世界各地の先進的な都市では、入出庫管理の無人化や決済システムの自動化を実現するデジタルソリューションの導入が進んでいます。これらも効果的であることが証明されましたが、新たな問題も生じています。
従来の無人の入出庫管理機や料金精算機の多くは、自律的に稼働できるように、フルサイズのPCを内蔵しています。また、従来のコンピューターのハードウェアを組込む必要があり、大型化しやすい傾向があります。そして何らかの問題が発生した場合、現地から離れた場所にいることも多いシステム管理者にすぐに故障の通知が届かないこともあります。さらに、このようなシステムの多くはデータをローカルに保存しているため、駐車場にある機器の物理的な損傷により、決済処理に不可欠な情報が失われ、車両が駐車場に出入りできなくなる可能性さえあります。
解決策
ASUS IoTを活用したコンパクトなクラウド型ソリューション
従来のソリューションが抱える多層的な問題を解決するため、Silicon Bridgeは高度な車両アクセス制御システム(IVACS)「EYEVACS」と決済キオスク「EYEPAY」の開発に着手しました。競争力を高めるため、これらの補完システムはコンパクトで管理がしやすく、回復力が高いことが求められました。そこで、ASUS IoT Tinker Board Sが協力することになりました。
Arm®ベースのクアッドコアプロセッサRockchip RK3288を搭載したTinker Board Sは、コンパクトでありながら、妥協のない確かな性能を備えています。
同じくArmテクノロジーをベースにしたMali™-T764を搭載したTinker Board SのGPUとプロセッサは、高画質メディアの再生、ゲーム、コンピュータビジョン、ジェスチャー認識、画像の安定化と処理、さらにコンピュテーショナルフォトグラフィー(計算写真)など、幅広い用途に対応します。
Silicon Bridgeは、Tinker Board SをEYEVACSとEYEPAYの両方に組込み、遠隔管理システムに常時接続しながら自律的に稼働する、包括的なクラウド型駐車管理ソリューションを構築しました。この業界初の提携により、データはクラウド上に安全に保管され、現地で発生した障害によるデータ損失のリスクも回避できるようになりました。また、IT担当者と管理責任者の両方が駐車場の稼動状況や支払い状況をリアルタイムで監視することも可能になりました。
クラウド型のEYEPAYは、遠隔地やさまざまな物理的位置にあるシステムの料金を動的に管理することができ、特に駐車場運営者にとって新たな追い風となっています。同システムでは、QRコードを活用して駐車料金の割引クーポンを発行したり、クーポンの数量を需要に応じて臨機応変に管理することも可能です。
Tinker Board Sを採用することで、EYEVACSとEYEPAを従来のデジタル駐車場管理・決済システムよりも大幅に小型化し、現地での省スペースも実現しました。また、ASUS IoTのハードウェアは信頼性も高く、価格も手頃なため、メンテナンスの必要性を最小限に抑え、Silicon Bridgeと駐車場運営者の双方の収益性を最大限高めることができます。
成果
数百台を設置し、何千台もの車両を管理、数件の特許を取得し、顧客の要望に応えることができた
2016年に展開されて以来、Silicon BridgeのEYEVACSとEYEPAYは好評を得ています。Tinker Board Sを搭載したこれらのシステムは、韓国の人気リゾート「Everland 」や「Legoland 」をはじめ、世界約160カ所で運用されています。また、マンションやホテルから官公庁まで、無人の駐車場管理・決済システムが必要な場所に、さまざまな形で導入されています。1日に5,000台以上の車両が入出庫するところもあります。
Silicon Bridgeは、システムの進化に余念がありません。Tinker Board Sの性能と汎用性を利用して複雑な環境センサーを導入する高度な応用例では、駐車場の空気環境の監視機能を強化し、微粒子、温度、湿度などを管理します。Tinker Board Sは、ほかにもスマート照明の制御やAIoT搭載カメラによる死角の最小化など、駐車場にとって便利な機能を提供します。
Silicon Bridgeは、これらの発明ですでに4つの特許を取得しており、さらに数件の特許を申請中です。また、ASUS IoTやTinker Board Sによる貢献にも大いに満足しています。
「私たちが開発している無人システムのほとんどは屋外に設置されるため、安定した性能と運用性が求められます。温度や湿度、季節の変化などの外的要因に大きく影響されないソリューションでなければなりません。ASUS Tinker Board Sは、耐久性に優れた組込みSBCという約束を果たしてくれました。実際、あるマンションでは、6年間一度も問題なく稼働しています。ASUS Tinker Board Sは、非常に安定した製品です。」