一緒に勝利をつかむ: ASUS IoTとIrida Labsが戦略的協力を開始、AIoTベースのスマート自動販売機ソリューションを提供
「当社の使命は、コンピュータビジョンベースのソリューションを大衆市場に提供することです。ASUS IoTは非常に高い評価を得ており、信頼性が高くクラス最高のAIコンピューティング用ハードウェアを一貫して開発してきました。それが、当社のあらゆる事業展開における望ましいハードウェアパートナーとして、ASUS IoTを選んだ理由です。」
-デメトリス・アナスタシュー氏(Demetris Anastassiou)、Irida Labs製品成長責任者
ホテルや病院などの制御型自動販売機のビジョンとAIソリューション
高度なハードウェアとソフトウェアソリューションを統合して顧客体験を向上させるスマート自動販売機ビジネスは、大きく成長しています。このシステムは、オフィス、ホテル、医療機関などの管理された場所で普及しています。利用者はカードを使って冷蔵庫のドアを開け、スナックや飲み物を選んでからバーコードをスキャンして支払いを済ませます。
ASUS IoTは、インテリジェントな自動販売機ソリューションを手掛ける欧州の総合的なエンドツーエンドプロバイダと提携しており、ハードウェアおよびソフトウェアソリューションと、POSの会計・補充・冷蔵・物流を提供しています。同社のテクノロジを利用した改良された買い物体験により、近年、ビジネスを成功に導いてきました。
しかし、同社の既存の製品には、デザインや操作上の制約に伴う難点がいくつかあり、刷新が必要でした。例えば、このスマート自動販売機のプロバイダは、在庫の確認と支払いの検証を行うために、AI機能を自社のソリューションに組み込んでいました。しかし、顧客が冷蔵庫からどの商品を取り出したかを検知するコンピュータビジョンシステムは、以前運用していたベンダがすでにサポートを停止していたため、運用するには新たなプロバイダが必要でした。また、既存のソリューションはコンシューマータイプのゲーミングハードウェアで動作しており、数年ごとに製品が変わるためメンテナンスが複雑でした。
この自動販売機ソリューションには双方向性がなく、まとめ買いの際はほとんど手作業で、利用者からは食べ物や飲み物を選んだり買ったりするのに必要な作業が多過ぎるという意見がありました。望ましい(そして達成可能な)理想型は、支払いを自動化することで、支払い処理の段階でバーコードをスキャンする必要をなくすことです。
革新的な自動販売機ソリューションの開発
求められたのは、管理された場所での飲み物や食べ物の買い物体験を向上させる非常に革新的なスマート自動販売機ソリューションの開発であり、システムインテグレーターやソリューションプロバイダを通じて市場に投入されるものでした。ASUS IoTには、ハイスペックで堅牢な産業用エッジコンピュータであるPE1000N/PE1100Nなど、そういったシステムに対応できるハードウェアがありました。これらのデバイスは、NVIDIA Jetsonを搭載し、ファンレス設計で、コンパクトでありながら多様なI/Oを備えているインテリジェントなエッジAIシステムを特徴としています。また、複数のコネクティビティオプション、幅広い電源入力と動作温度にも対応できます。
それでも、既存の自動販売機ソリューションの欠点を克服できるシステムを構築するためには、エッジで拡張可能なAIビジョンベースの技術を提供できる企業と提携する必要がありました。
ASUS IoTのシルビア・クオ(Silvia Kuo)氏は、次のように述べています。「Embedded Worldの展示会でIrida Labsに出会い、同社のコンピュータビジョンとAIソリューションに感銘を受けました。Irida Labsはサプライチェーンやロジスティクスの分野ですでにこのような技術を導入しており、その技術をスマート自動販売機に生かせる可能性があることは明らかでした。」
2009年に設立されたIrida Labsの中核製品であるPerCV.aiは、エッジにおける拡張可能なビジョンベースのソリューション構築をサポートするビジョンAIプラットフォームです。PerCV.aiは完全なソフトウェアとサービスのプラットフォームであり、必要なすべてのビルディングブロックを組み合わせたエンドツーエンドのビジョンAIインフラストラクチャを提供しています。これには、センサー、レンズ、位置の選択などのデジタルビジョンツインサービス、合成データ構築などの独自のデータエンジン、エッジHW最適化およびデバイス管理とAPI対応アクセスを組み合わせた最先端のビジョンAIソフトウェアが含まれます。
ASUS IoTはIrida Labsと提携し、自動販売機ソリューションを再構築してアップグレードを実施し、エンドクライアントが産業グレードPCとより堅牢なAIソリューションに移行できるよう支援しました。この共同ソリューションは、いくつかのサービス機能を提供するために開発されたものです。利用者はアプリをダウンロードして店舗の商品リストにアクセスし、棚から商品を取り出し、完全に自動化された支払いサービスを利用します。コンピュータビジョンは、どのような商品が選ばれているかを自動的にモニターし、それに応じた商品の補充を可能にします。ベンダにとって、この情報のきめ細かさは、物流と現場での作業を大幅に効率化するものでした。
ハードウェアとソフトウェアのシームレスな統合
ASUS IoTは、産業用エッジコンピュータPE1000N/PE1100Nを提供し、その他のAI対応デバイスやカメラは、同社のパートナーエコシステムASUS AIoT Partner Allianceプログラムに参加する別の企業が提供しました。このコンピュータは、AIモデルを実行するのに十分なパワーを持つと同時に、POS計算などの目的でスマート自動販売機ソリューションを導入しているすべての場所に均一性をもたらします。また、将来も有効に使用できるよう設計されており、拡張オプションに対応するため、複数のGPUを追加できます。
一方、PerCV.aiはビジョン・アズ・ア・サービスの機能を持つソフトウェアです。ASUS IoTとIrida Labsは、Co-Winning戦略を通じて協力することで、ソリューションのハードウェアとソフトウェアの要素間のシームレスな統合を確かなものにし、確実にすべての痛点に対処する信頼性の高いデータ駆動型ソリューションを構築しました。このコラボレーションでは、実際の用途に関係なく、同じソフトウェアとインフラの80%に依存するIrida LabsのVision AIが最大限に活用されました。残りの20%は最終段階のラストワンマイルで調整されます。このアプローチにより、プロトタイプシステムは、わずか数カ月という比較的短期間で開発されました。
Irida Labs製品成長責任者のデメトリス・アナスタシュー氏は、次のように述べています。「私たちの専門は、エッジのデバイス上で効率的に実行できるビジョンベースのソフトウェアにあります。現実的なVision AIソリューションを提供するために必要なソフトウェアパイプライン全体を提供します。しかし、導入を成功させるためには、適切なハードウェアを提供できるパートナーと協力する必要があります。ASUS IoTは業界で非常に高い評価を得ており、このプロジェクトおいて、当社は素晴らしいコラボレーションを享受してきました。両社のパートナーシップが優れたものになったのは、相互の信頼と尊敬があったからです。ASUS IoTは私たちよりもはるかに大きな会社ですが、終始協力的で迅速な対応をしていただきました。」
セクターを超えた無限の可能性
このスマート自動販売機ソリューションは、近いうちに初めて導入される予定です。これは、小売環境において進化し続ける自動化のトレンドを表しています。
ASUS IoTとIrida Labsは、製造、倉庫管理、物流など、他の用途におけるAIベースのビジョンシステムの機会を模索しています。いずれの場合も、ASUS IoTは高度なハードウェア設計とソフトウェア開発能力、長寿命の産業用PCプラットフォームを提供することができます。一方、Irida Labsは、中核事業の強化にも取り組んでいます。エッジにおける拡張可能なビジョンベースソリューションの構築を支援するエンドツーエンドのVision AIプラットフォームをさらに強化し、コンピュータビジョンとディープラーニングを使用するAIoTに最適化された組込みビジョンソフトウェアを提供し、拡張可能なビジョンベースソリューションを開発する企業を支援してきた豊富な経験を活用していきます。
デメトリス・アナスタシュー氏は、次のように述べています。「Co-Winning戦略に基づく私たちのパートナーシップには、非常に多くの可能性が広がっています。今回は、ビジョンベースのシステムを小売環境に適用しました。しかし、その背後では、倉庫や物流において、アセットトラッキング、在庫管理、在庫レベル管理、さらには自律走行誘導車の調整が必要です。ASUS IoTと協力することで、ビジョンベースのソリューションを大規模市場に投入することができます。」
ASUS IoTもこの意気込みを共有しています。シルビア・クオ氏は、こう述べています。「当社のCo-Winning戦略は、革新的で機知に富み、成功に貪欲なパートナーを見つけることにかかっています。Irida Labsはこれらの条件をすべて満たしています。実際、共に勝利するというこの関係は、今後も続いていくでしょう。」